無水酢酸のエステル化における反応機構は次のように考えられている
[Xu, S.; Held, I.; Kempf, B.; Mayr, H.; Steglich, W.; Zipse, H. "The DMAP-Catalyzed Acetylation of Alcohols - A Mechanistic Study (DMAP = 4-(dimethylamino)-pyridine)." Chem. Eur. J. 2005, 11, 4751?4757. DOI: [外部リンク] 10.1002/chem.200500398.]。まず DMAP が無水酢酸に付加し、アセテートイオンとアセチルピリジニウムイオンの不安定なイオン対を形成する。次に
アルコールが
アセチル基を攻撃し、
エステルとなる。この段階ではアルコールがアセチル基と共有結合を形成し、カウンターイオンのアセテートがアルコールから
プロトンを受け取る。最後にアセチル基と DMAP の間の結合が切断され、触媒として再生する。この際、生成した酢酸によって DMAP がプロトン化されるので、補助塩基として
トリエチルアミンなどを共存させてプロトンを引き抜かせ、フリーな DMAP を再生する。
分子内に複数の
ヒドロキシ基が共存する化合物について、立体障害の影響が小さい1級アルコールのみを選択的に
保護する際の塩基触媒として用いられる。例えば、触媒量のDMAP存在下、2-エチルヘキサン-1,3-ジオールに対して
tert-ブチルクロロジメチルシランを作用させると、2級アルコール部分を変化させることなく、1級アルコールのみがシリル化された生成物が得られる
[Chaudhary, S. K.; Hernandez, O. "4-Dimethylaminopyridine: an efficient and selective catalyst for the silylation of alcohols." Tetrahedron Lett. 1979, 20, 99?102. ]。