大王の主題が全曲を通じて用いられたこの曲集はその後「音楽の捧げもの」として知られている。伝説によれば、王の与えた主題を用いて即興演奏を求められたバッハは三声のフーガを演奏。続いて六声のフーガの演奏を求められたが、さすがに即興では難しく、自作の主題によってその演奏を行った。後にその場で果たせなかった六声のフーガを含むこの作品を王に捧げたといわれる。
2曲の
フーガはリチェルカーレと様式名が付けられている。一曲は三声のフーガで、これが王の前での演奏に近いのではないかとも言われる。もう一曲が六声のフーガである。10曲の
カノンは「謎カノン」という独自の様式で書かれた。すなわち単旋律に記号が付されており、演奏者はその記号に基づいて曲を完成させねばならない。また、四楽章からなるトリオソナタが含まれ、これにのみ楽器の指定がある。