アレーニウムイオンは、Wheland中間体、σ錯体と呼ばれることもあり、
超酸の使用により安定に存在させることもできる。求電子剤の付加が起こる前段階として、π錯体や
電荷移動錯体を経由する場合、結合形成の前に電子移動を経由する場合もあると考えられている。それらは
反応速度式や
同位体効果の解析により識別される。
生成物に位置異性体が考えられる場合、その生成物分布は求電子剤が付加する位置で決まり、基質上の電子分布や
立体障害の影響を受ける。このうち、置換基の電気的性質に由来した位置選択性を
配向性と呼ぶ。
電子供与基を持つ基質では、そのオルト位とパラ位の電子密度が
共鳴効果により高まっているため、オルト置換体とパラ置換体がメタ置換体よりも優位に生成する。これは
オルト-パラ配向性である。さらに求電子剤や置換基のサイズが大きい場合は、立体障害によりパラ位への付加が優先する。逆に、
電子求引基による共鳴効果でオルト位とパラ位の電子密度が下げられている場合、置換反応はメタ位へと起こる(メタ配向性)。