致死量 wikipedia|無料辞書
物質や電磁波の
致死量(ちしりょう)とは摂取・被曝すると
死に至る量。急性毒性試験や、中毒事例などにより求められる。
◆ 概要
ある物質についての致死量は、
動物の種類、成長段階、健康状態、摂取方法(経口・皮下注射・
ガスや
エアロゾルとしての吸引・
皮膚接触、静脈注射、腹腔内投与など)によって極めて多様に変化する。極論をいえば、致死量は個体・物質の摂取時期によって異なるため確定した値を求めることは厳密には不可能である。
そこで、目安として、
半数致死量という概念が一般的に用いられている。これは、「ある物質を-ある状態の動物に与えた場合-その半数が死に至る量」を示す。なお、半数致死量はしばしば
LD50(50% Lethal Doseの略)と簡略化して書かれる。対象がガス体などである場合や水中生物に対する影響を評価する場合には半数致死濃度
LC50(50% Lethal Concentration)などを用いる。
急性毒性の強さを表す方法としては、他に最小致死量・最小中毒量などがある。
特に、安全性を評価する場合については、最小致死量LDLo (Lowest published lethal dose) や最低致死濃度LCLo (Lowest Published Lethal Concentration) および最小中毒量(TDLo; Toxic Dose Lowest もしくはMTL; Minimum Toxic Level)などを用いる。
半数致死量の表記例を以下に示した
シアン化カリウム LD50=7mg/kg(ハムスター・成体・経口)
この例は、「
シアン化カリウム(青酸カリ)を複数の
ハムスター成体に体重1kgあたり7mgを経口投与すると半数が死に至る」ことを示す。
これらのデータは
動物実験の他、中毒事故の事例・
人体実験の結果(
ナチス・ドイツのものなどが存在)などから得られたものである。既に挙げたように致死量はコンディションによって大きく変動するため、安全性を確保するためには既知の致死量に対して1-3桁程度のマージンを確保する必要がある。化学物質を薬剤として用いる場合には、薬効量と致死量の間に大きな差があることが望ましい。
毒物及び劇物取締法における毒物、劇物の指定審査過程では、経口投与の半数致死量を基準とし、LD
50=50mg/kg以下程度を毒物、LD
50=300mg/kg以下程度を劇物としている(
毒物及び劇物取締法#判定基準に詳細な記述がある)。
なお、現在では正確な半数致死量を求めることは行われておらず、概算値を求めるのみになっている。これは、正確な値を求めることに学術上の意義が無いことと、動物愛護の観点から使用動物数を削減したことによる。
◆ 各物質における致死量