人権裁判所は4部に分れ、それぞれ統括裁判官が置かれている。提訴があった場合、3人の裁判官で構成される委員会が事件の選別作業をおこない、受理された事件については小法廷(裁判官7人)で審理され、重大な事件についてはさらに大法廷(裁判官17人)に持ち込まれる。
欧州人権裁判所は人権問題に関する限り、日本で言えば
最高裁判所の判決さえ覆すことのできる国際裁判所であり、その判決が欧州加盟各国に与えた影響は甚大なものがある。例えば、イギリス
情報機関がアイルランド革命軍(
IRA)の
テロ実行者と目された人物を発見現場で即座に射殺した事件については遺族が裁判もなしに処刑を実行するのは違法であるとして英国政府を提訴したが、英国の裁判所は政府の人権侵害を認定しなかった。しかし、ストラスブールの欧州人権裁判所は英国政府の人権侵害を認定し、遺族に賠償金の支払いを命じた。また
同性愛を理由に英国空軍を解雇されたグループが解雇の取り消しを求めた事件では、欧州人権裁判所は英国政府の人権侵害を認定している。直近では
チェチェン人のグループが
ロシア政府の人権侵害を提訴している。