女性史は1900年代の初頭から存在していたが、一つの視座として広く認識されるようになったのは
20世紀後半の事である。それまで歴史学において、
女性君主や、
権力者と強いコネクションを持つ女性といった特殊な
個人を別にすれば、女性は総じて受動的であり、歴史の表舞台に立つ存在ではないと考えられていた。この視座は
ナポレオン法典以降の「近代的家族」における女性認識に基づいており、伝統的価値観と結びつき、20世紀前半までは根本的な疑義を投げかけられる事はなかった。しかし1960年代になると欧米において女性運動などがさかんになると、新しい価値観と視座から伝統的な家族観・女性観に疑問が提起され、女性を歴史の主体として取り上げる「女性史」や「家族史」が脚光を浴びる様になる。