反応または物理変化に伴う熱の出入りは、それを構成する各段階での熱の出入りを合わせたものである。相転移による熱の吸収は主として
分子間力、
水素結合や
イオン結合によって束縛されていた
分子、
原子、
イオンなどが、エネルギーを得てある程度自由に運動するようになることによる。また
水に溶質が溶解する場合には、一般に
水和により多くの熱が発生するが、溶質の種類によっては水素結合による水分子クラスターを壊すため逆にエネルギーを吸収し、これらの総和として吸熱変化となる。吸熱化学反応では、分子を構成する
共有結合あるいは
電子状態(
酸化・
還元)などの形でエネルギーが吸収され、また場合により上記のような物理変化に伴う熱の出入りが合算され、全体として吸熱となる。
定圧過程では
ギブズエネルギーG(定積過程ならば
ヘルムホルツエネルギーF)が減少する過程(これを
発エルゴン反応という)は単独で自発的に進む。さらに定温過程とすると
∆G =
∆H -
T∆Sなので、過程における
エントロピー変化
∆Sが十分に大きければ、
∆G < 0 となって、吸熱反応は自発的に進行する。ただし吸熱化学反応は高温に加熱して初めて自発的に進行するものが多い。さらにエントロピー変化が小さい場合は
∆G > 0、すなわち
吸エルゴン反応となり、電気エネルギーを利用する、あるいは他の発熱反応と共役させるなどの方法(系に電気的・化学的な
仕事をする)をとらないと進行しない。相転移のうち
融解・
気化は、高温または低圧では発エルゴン反応となって自発的に進むが、低温または高圧では逆向きの
凝縮・
凍結が発エルゴン反応となって進む。