体内に蓄積された乳酸は肝臓において
グルコースの再合成に利用され、血液循環によって各組織へ運ばれる。この一連の過程を乳酸回路(lactic acid cycle)または
コリ回路(Cori cycle)という。酸素供給不足を伴う運動時、この乳酸の代謝除去を乳酸蓄積が上回る限界点があり、血中乳酸濃度が急速に増加を始める時点を乳酸蓄積閾値(または乳酸閾値, lactic acid threshold, LT)と呼ぶ。
有酸素運動のトレーニングでは、LTを酸素供給の指標として利用し、
運動強度の設定に利用することがある。
炭水化物を分解して乳酸を合成(
乳酸発酵)する
微生物を総称して
乳酸菌と呼ぶ。乳酸は
ヨーグルトや
チーズ、
バター、
漬物、
日本酒などさまざまな加工食品に含まれており、乳酸菌は食品工業に応用されている。また、赤
ワイン醸造過程では、乳酸は
リンゴ酸よりも酸味が弱いなど風味が違うために、乳酸菌を利用してリンゴ酸を発酵除去して乳酸を作ることにより、酸味などの味を調えるのに利用される(Malolactic fermentation, MLFとよぶ)。
日本酒の醸造過程では、乳酸による酸性化を利用して雑菌の繁殖を防止するが、
生?(きもと)醸造では乳酸菌を利用するのに対して、速醸?では乳酸そのものを添加する。すなわち、生?系醸造では、乳酸菌の発酵によってできた乳酸を利用する。乳酸そのものを加える速醸?による醸造では、この発酵の過程がないために生産速度が上がる長所がある一方で、発酵の過程でできる他の発酵産物による微妙な味わいや香りが失われる欠点がある。