また、身分の高い人間は子育てのような雑事を自分ですべきではないという考えや、他のしっかりとした女性に任せたほうが教育上も良いとの考えから、乳離れした後、母親に代わって子育てを行う人も乳母という。英語では、乳を与えるのをWet Nurse、子育てをするのをDry Nurse(Nanny)と区別する。
日本の場合、特に
平安時代から
鎌倉時代にかけて「めのと」と呼ぶ場合には「うば」よりも範囲は広く、「養育係り」の意味もあり、女性だけではなく夫婦でそれに当たるケースが多い。例えば『
奥州後三年記』の「
家衡が乳母千任といふもの」などでは千任は男である。またその乳母に世話を受ける養い子にとって、乳母の子供は「乳母子(めのとご)」「乳兄弟(ちきょうだい)」と呼ばれ、格別な絆で結ばれる事があった。
軍記物語においても、主人のそばに乳兄弟が親しく仕える情景が少なからず描かれている(例:『
平家物語』の
木曽義仲と
今井兼平)。