主人公 wikipedia|無料辞書
◆ 主人公の定義・特性
物語の解釈は受け手により異なる為、万人が納得する主人公を定めることは難しい。また、群像劇など主人公が複数いる物語・主人公がいない物語もある[.]。本項では、想定しうる主人公の定義や、主人公にしばしば見られる特性を以下に列挙する。
◇ 主人公の機能
語り手
小説等の文学作品の場合、一人称における主体、つまり文章中の「私」を主人公とすることが少なくない。こういった作品では
語り手が主人公を務めることがある。ただし、語り手とが別個の人物に設定されている
シャーロック・ホームズシリーズのような例もあり、必ずしも明確に主人公を求めることができるとは限らない。また、稀に主人公自身が読者のミスリードを試みる
信頼できない語り手であるような作品も存在する。
行為項
ウラジーミル・プロップはロシアの民話を整理し、登場人物たちを「敵対者」「贈与者」「助手」「王女とその父」「派遣者」「主人公」「ニセ主人公」の7種の「行動領域」に分類した。
グレマスは「主体」「対象」「恵与者」「受益者」「補助者」「敵対者」の6種の「行為項」に分類した。これらの
構造主義的
物語論においては、主人公は他の登場人物たちとの関係、ないし物語上の機能として定義される
[小森陽一(1991)「主人公」『読むための理論: 文学...思想...批評』世織書房。]。
主題の実行者
物語の主題(
テーマ)を実行する者が主人公と定義される。例えば冒険活劇において敵対者との対決を迫られた主人公は、しばしば命を賭して己の道徳観や、主人公と価値観を共有する社会基盤を守ろうとする
。物語の主題は主人公の行動によって体現され、理想や正義といった目標を実現するための行動こそが物語の主題となる
。物語の作者は、主人公をどのように表現し、どのような運命を与えられるかによって、主人公が体現する主題に対してどのような(例えば肯定的な、あるいは否定的な)考えを抱いているのかを表現することができる
。
ただし、作品が掲げる主題は台詞による説明ではなく主人公の無言の行動によって示されるが、その解釈は作者の中ではなく作品と受け手の間に成立するため