高高度を飛行する
航空機や、
宇宙空間にある
宇宙船や
宇宙ステーションのように、機体外の大気が希薄あるいはゼロの空間では、機内の
酸素分圧を人間が生存できるレベルに保つ必要がある。このために、
酸素マスクを用いるか、室内全体を加圧するかのいずれかの手段が多く採用されている。後者が与圧と呼ばれる。
ジェットエンジンの圧縮機前段から抽出した空気(抽気 = ブリード)、あるいはエンジン補機としての空気
圧縮機からの圧縮空気を
空気調和系統を通して機内に導入することによって加圧し、胴体下部のアウトフロー・バルブから空気を排出することによって減圧を行なう。これらを適切に組み合わせることで適度な気圧を保つ。一般には機内高度は自動的に制御されているが、常時全く同じ気圧に保つことはできず、降下時など、気圧の変化が生じると、目の奥や耳に痛みを伴ったりすることもある(いわゆる耳ツンと呼ばれる現象)。
上空では機内と機外との間に圧力差があり、胴体の構造材には膨らむ方向の
応力がかかっている。一方、地上では圧力差はゼロになり、応力もなくなる。定期運航する旅客機などでは、この繰り返される応力による
金属疲労が問題となることがある。ジェット旅客機として世界で初めて定期運航を開始した
BOACの
DH106 コメットは、四角形だった客室窓の角に、応力集中によって
クラック(亀裂)が生じたことが原因で空中分解する事故を連続して起こした。その後、航空機の客室窓や各ドアの角には丸みが付けられ、応力の集中を緩和するようになっている。