一方、リンドラー触媒では被毒により触媒作用が減弱している為、アルキンに対する反応性は残存しているものの、アルケンへの水素付加は極めて遅い。したがって、リンドラー触媒を用いて消費される水素量を制御することでアルキンからアルケンを選択的に得ることが可能になる。しかしアルキン選択性を持つわけではないので、
ニトロ基などアルキンよりも接触水素化反応への感受性の高い基が存在すれば、そちらも接触水素化反応を受ける。
リンドラー触媒は不均一系触媒を製造する方法に準じて製造される。すなわち
塩化パラジウム等を含む水溶液に担体を懸濁させ水素ガス攪拌吸収させて担体上に金属パラジウムを析出させた後、担体が被毒作用を持たなければ、適宜被毒物質を添加して製造する。この際酸成分が残存すると触媒作用が増強されるため、アルカリで処理して酸性分が残存しないようにしたり、反応系中が酸性化しないように考慮する必要もある。あるいは調製済みのリンドラー触媒が多数の試薬メーカーから提供されているので必ずしも用事調製の必要はない。