殻長15cmほどの大きな二枚貝で、殻表は暗褐色の殻皮で被われる。体の後ろにある
水管が大きく発達しているのが特徴で、水管を殻の中にひっこめることはできない。水管は黒い皮におおわれており、
海藻が生えることもある。この水管に海藻が生えた様が「海藻を食べている」ように見えたことからこの名がついた。なお、密生した海藻がまるで松葉が集まったように見える為に海松と云われるだけで、
ミル(学名
Codium fragile)ばかりが水管に生えるわけではない。
大きな水管を食用にし、
刺身や
寿司ネタ、塩焼きなどにされる。その他の部位は捨てられるが食べられない訳ではない。日本産のミルクイは減少し今や高級食材の一つとなっており、一般に流通しているミルクイのほとんどは
韓国産や
中国産である。また、ミルクイの代用食材として利用されるものに、「
白みる(白ミル)」と通称される
ナミガイ Panopea japonica (A. ADAMS 1850) や
アメリカナミガイ()
Panopea abrupta (Conrad, 1849) がある。前者は
千葉県の
東京湾や
兵庫県の
播磨灘や
山口県の
周防灘や
愛知県の
三河湾などが主産地で殻付きの活きたものが売られ、後者は
カナダなどからの輸入品が
回転寿司などの「みる貝」によく利用される。ミルクイはこれら白みる貝と区別する意味で「本ミル」(稀に「黒ミル」)と呼ばれるが、少なくとも20世紀末以降の流通量はナミガイ類(白みる)の方が圧倒的に多い。とは言え、代用品とされる白みる類も大変美味な貝類である。