ミトコンドリアDNA wikipedia|無料辞書
◆ 概要
ミトコンドリアDNA は、
ミトコンドリアの持つ
たんぱく質などに関する
情報が主に含まれており、ミトコンドリアが分裂する際に
複製が行われる。ミトコンドリアに必要な情報の一部は
核DNAに含まれており、ミトコンドリアは
細胞の外で単体では存在できない。また逆に細胞が必要とする
エネルギーを
酸素から作り出せるのはミトコンドリアの働きによっており、細胞それ自体もミトコンドリアなしには生存できない。これらのことはミトコンドリアが
細胞内共生由来であるという
仮説の傍証となっている。
一般に
ミトコンドリア病と呼ばれるミトコンドリアの
異常によって起こる
疾病も、ミトコンドリアDNAの異常に起因するものと、核DNAの異常に起因するものとがある。
ミトコンドリアDNAの
遺伝子多型は、
肥満しやすさの
個体差に関係していると考えられている。
◆ 伝達様式
ミトコンドリアは
卵子の
細胞質に約25万存在する。
精子鞭毛基部にもわずかに存在するが、精子が卵子の中に核DNAを渡したあと鞭毛ごと切り捨てられるなど、一般的に精子由来の物は
受精前後に何らかの形で排除される。そのためもともとの卵子の中にあったミトコンドリアのみが
細胞分裂後も引き継がれることになり、ミトコンドリアDNAは常に
母性遺伝すると考えられる。
父親から受け継いだという例も1例報告されている(Schwartz and Vissing, 2002)が、その
患者はミトコンドリア
酵素複合体の不足と重い
運動機能障害を抱えている。
哺乳類の
精子に含まれるミトコンドリアは、一般に受精後
卵細胞の中で死滅してしまうとされる。精子由来のミトコンドリア(ミトコンドリアDNAを含む)は、後で
胚の中で破壊されるように
ユビキチンによる印が付けられることが
1999年に報告されている(Sutovsky et. al. 1999)。時に、例えばハイブリッド種において、このプロセスは失敗に終わる。
◆ コドン表
ミトコンドリアはミトコンドリア核内で保管元となるDNAから遺伝情報を
mRNAに
転写した後、mRNAはミトコンドリアのリボソ-ムに移動し、アミノ酸の付いた
tRNAの3塩基がmRNAの
ヌクレオチドと相補的に結びつくことで、tRNAが運ぶアミノ酸の配列が決まり、目的のタンパク質を合成する。これら一連の
翻訳過程は細胞の遺伝子翻訳とほとんど同じであるが、共に20個のアミノ酸を規定する64個の組み合わせの内、7ヶ所に対応するアミノ酸が異なっている。
この翻訳過程でのmRNA上にあるコドンとそれが指定するアミノ酸との対応関係を示した「コドン表」を以下に示す。
| 第1塩基 |
第2塩基 |
第3塩基 |
メチオニン
イソロイシン |
アスパラギン
リジン |
セリン
アルギニン |
A |