TRPV1の
アゴニスト(最も強力なアゴニストはレシニフェラトキシン:resiniferatoxin :RTX)であるカプサイシンで当該受容体を刺激すると痛覚神経は脱感作され、痛み刺激の伝達が抑制され痛みを感じにくくなることが知られている。この作用機序を利用して帯状疱疹後に発生する疼痛治療や糖尿病性神経障害による痛みの改善にカプサイシンクリームが臨床で使用されているが、一日数回の塗布が必要なこと
[メルクマニュアル医学百科 痛みの治療 鎮痛補助薬]に加え、塗布直後の焼け付くような痛みの副作用が知られている
[日本薬理学雑誌Vol. 122 (2003) , No. 3 192-200]。この問題を解決できる可能性が高い鎮痛薬、若しくは炎症性疼痛から神経因性疼痛まで様々な痛みを改善する鎮痛薬としてTRPV1アンタゴニストの創薬研究・臨床開発が1997年以降多くの製薬会社でおこなわれている。実際、カプサイシン受容体と強力に結合するレシニフェラトキシンを修飾したヨードレシニフェラトキシン(I-RTX)はカプサイシン受容体のアンタゴニストとして作用する。実験用試薬としては他に、カプサイゼピンやルテニウムレッドなどが有名。臨床応用を目指したアンタゴニストとしてはSB-366791や SB-705498, SB-750364, A-425619などが開発されている。