最もよく用いられるイリドは
ホスホニウムイリド (phosphonium ylides) であり、
カルボニル化合物 (C=O) から C=C 二重結合を生成する
ウィッティヒ反応 (Wittig reaction) で利用される。
ウィティッヒ試薬の正電荷はリン原子上に存在し、リンに隣接した炭素上に負電荷が存在する。負電荷を持つ炭素原子に電子求引基が結合していると、その作用によってイリドは安定化される。これを
安定イリド (stabilized ylides) と呼ぶ。逆にこうした負電荷を安定化させうる置換基を持たないイリドは
不安定イリド (non-stabilized ylides) と呼ばれる。不安定イリドは反応性が高いため
アルデヒドおよび
ケトンと速やかに反応するのに対して、安定イリドはアルデヒドのみと反応し、場合によっては加熱などが必要になる。